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2022.11.09

小回りの良さに強み、オーダーメードでAGVの“足”作る/シーシーアイ

化学メーカーのシーシーアイ(岐阜県関市、岡部鉄也社長)は、無人搬送車(AGV)の“足”の部分に当たるウレタン車輪の開発、製造、販売を手掛ける。顧客のニーズにきめ細かく対応する小回りの良さと、長年培ってきた熱硬化性ウレタンの接着技術を武器に、AGVメーカー各社が頭を悩ます「剝離」の問題が起こりにくい高耐久なウレタン車輪を完全オーダーメードで提供するのが強みだ。

一社一社の要望にきめ細かく対応

カーケミカル用品をはじめ、産業用ウレタン車輪や防音排水管などさまざまな化学製品を手掛ける

 シーシーアイは「刃物の町」で有名な岐阜県関市に本社を置く化学メーカー。B to B(企業向け)ビジネスが主体だが、東海地方などでは人気俳優を起用したテレビCMを放映しており、一般消費者からの知名度も徐々に高まっている。

 自動車ブレーキの作動油「ブレーキフルード」やエンジンを冷却する「エンジンクーラント」といったカーケミカル用品が事業の中核で、グループの連結売上高の4分の3以上を占める。国内外で高いシェアを持ち、多数の自動車メーカーに採用されているという。
 この他、産業用ウレタン車輪や防音排水管、カーケア用品など、さまざまな化学製品の開発、製造、販売も担う。

 同社のウレタン車輪はAGVや自動倉庫をはじめ、ジェットコースターや新交通システムなどの幅広い業種や分野で使われる。製造業関連で言えば、人が立って運転するリーチ式フォークリフトやベルトコンベヤーにも採用されている。
 最大の特徴は、完全オーダーメードで製品を提供すること。熱を加えると硬くなる「熱硬化性ウレタン」の特性に応じて複数のグレードの商材を用意するが、基本的にカタログ販売は一切しない。林達也営業部長は「AGVの用途や車体サイズ、最大可搬質量はメーカーの設計思想によって異なるため、一社一社の要望にきめ細かく対応しながら製品を設計し、テストを重ねて納入する。こうした小回りの良さが強み」と語る。

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