生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2023.09.22

連載

[活躍するロボジョvol.25]マテハンシステムの開発を選んでよかった/ダイフク 石原歩実さん

ダイフクは保管や搬送、仕分け、ピッキングを高効率化するマテリアルハンドリング(マテハン)システムの総合メーカーだ。入社3年目の石原歩実さんはマテハンシステムの設計と開発を担当する。自動倉庫で使うリフター(昇降機)の他に、ロボットの開発にも携わる。「就職活動の時はマテハンシステムの開発かソフトウエアの開発のどちらに進もうかとても迷った。今はダイフクを選んでよかったと思える」とほほ笑む。

顧客目線を大事にする

 ダイフクのマザー工場である滋賀事業所(滋賀県日野町)に勤務する石原歩実さんは、イントラロジスティクス事業部生産本部の開発部商品開発グループに所属する。

 現在、石原さんはケース荷そろえシステム「シャトルラックM」のリフターの改良に携わる。シャトルラックMは、固定式の高速リフターとラック各段にあるシャトル台車が独立して動く構造の自動倉庫だ。石原さんは製品の設計や開発だけでなく、CADモデルの作成、測定データのとりまとめ、顧客に提案するための資料作成など幅広い役割を担う。

石原さんがリフターの改良に携わるケース荷そろえシステム「シャトルラックM」(提供)

 「普段はデスクワークが多いですが、お客さまの現場に行くこともあります。実際に現場を見て話を聞くことで、組み立てやすさやメンテナンス性を考慮することの重要性を痛感しました。それ以降は使い心地など使う方の視点も頭に入れて設計に取り組んでいます」と石原さんは語る。

悔いのない選択

石原さんは設計や開発の他に、CADモデルの作成や測定データの取りまとめなどもする

 石原さんは「幼いころから機械の機構や構造がとても好きで、何か物が壊れたら分解して中身を見たり、自分の手で直せないかを試していた」と笑う。東京理科大学工学部機械工学科に入学し、ロボットに関する基本的な知識を学んだ他、マッスルスーツの研究にも取り組んだ。マッスルスーツとは、作業者の体に装着して負荷の高い動作を補助する装置だ。卒業後は東京理科大学大学院に進学し、画像処理などソフトに関する知識を深めた。

 就職活動をするにあたり、石原さんはマテハンシステムを開発できるダイフクかソフトの開発会社のどちらに就職するかで非常に頭を悩ませた。「どちらも魅力的で本当に迷いました。子どもの時から機械に触れるのが好きだったのが、ダイフクを選ぶ決め手になりました。今ではその選択に間違いはなかったといえます」と晴れやかな表情を浮かべる。

 石原さんが就職活動をしていた2020年は新型コロナウイルス禍の真っただ中。ダイフクの面接は全てオンラインだったため、配属先の滋賀事業所を実際に訪れたのは入社が決まってからだった。「ずっと東京で生活していたので、周りが緑に囲まれた滋賀事業所の風景は驚きでした」と笑顔で振り返る。

TOP