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2023.09.27

イベント

仙台で学術大会を開催、誰でも参加できる公開プログラムも多数/日本ロボット学会

日本ロボット学会は9月11日~14日の4日間、仙台市内の仙台国際センターで「第41回日本ロボット学会学術講演会(RSJ2023)」を開いた。初日はA~Fの6会場に分かれて「オープンフォーラム」を開催。2日目以降はA~Lの12会場に分かれて「オーラルセッション」などを行った。日頃の研究成果の発表に加え、「サステナブルな社会の構築・発展に貢献するロボット技術」をスローガンにさまざまなプログラムを実施した。

17のオープンフォーラムを開催

A会場で開かれたオープンフォーラム1

  RSJ2023の初日にA~Fの各会場で開かれたオープンフォーラムは、参加資格なしで誰でも参加できるイベントだ。より多くの人たちにロボットと社会の関わり合いについて知ってもらうことを目的としている。

 各会場の中でも特に大きいA会場では午前中、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がまとめ役となり、「ロボットの実用化に向けた先端技術の実証開発 ~NEDO先導調査研究による搬送ロボットやマニピュレーションの実用化技術の成果報告~」をテーマにオープンフォーラム1を開催した。
 オカムラやゼンリン、立命館大学などがNEDOのプロジェクトの一環として進めた研究開発の成果を発表した。

デジタル技術を活用した操作教育について語る日本ロボットシステムインテグレータ協会の久保田和雄会長

 同時間帯、E会場ではオープンフォーラム5として、日本ロボットシステムインテグレータ協会が「ロボットSI技能のデジタル教育への取り組み」について発表した。

 実機を使わずデジタル上でロボットの操作教育をする新たな教育方法の確立に関する進捗(しんちょく)を報告した。シミュレーション技術を応用したシステム「デジタルトレーナー」を活用するもので、学生の協力を得ながら初学者でも分かりやすいマニュアルの作成を進めていることなどを紹介した。

人工知能や食品把持研究の最前線を紹介

研究支援のAIを研究するオムロンサイニックエックスの牛久祥孝氏

 初日の午後は、A会場では科学技術振興機構が「ムーンショット型研究開発(目標3):自ら学習・行動し人と共生するAIロボット」をテーマにオープンフォーラム6を開催した。
 2050年までに「人工知能(AI)とロボットの共進化により、自ら学習・行動し人と共生するロボットの実現」を目指す一連の研究について紹介した。

 会場で発表された研究の一つが、科学技術研究へのAIの応用だ。オムロンサイニックエックス(東京都文京区、諏訪正樹社長)の牛久祥孝氏が、人間の指示に基づいてある程度自律的に研究業務ができるAIの開発プロジェクトを紹介した。

 D会場では、日本ロボット学会の食品サンプル規格標準化研究専門委員会がオープンフォーラム9「食品把持ロボット向けの食品サンプル開発」を開催。ロボットの把持検証に使える食品サンプルの開発状況を紹介した。
 サンドイッチやハンバーグなどさまざまな把持検証サンプルが披露され、パネルディスカッションでは今後のさらなる開発の方向性についての意見交換などが活発に行われた。

  • 把持検証用のサンプル開発の過程を紹介する立命館大学の平井慎一教授

  • 開発した把持検証用の食品サンプル

 E会場で開かれたオープンフォーラム14は、日本ロボット学会ダイバーシティ推進委員会による「だれもが仕事を続けるために ―仕事とプライベートの両立方法について話し合おう―」。家事・育児・家族の転勤などのプライベートと仕事を両立するための方法について、体験談を交えながら、登壇者や参加者が意見交換をした。

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