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2024.01.18

寿命3倍の新シリーズ発売、高速ロボット研磨を提案/スリーエムジャパン

米国に本社を置く研磨材メーカー3Mの日本法人スリーエムジャパン(東京都品川区、伊藤誠社長)は1月15日、工業用研磨材の新ブランド「3Mキュービトロン3」を発売した。従来の一般的な製品と比べて約3倍の寿命で、「自動化に最適な製品。研磨材の交換頻度を大幅に減らせ、さらにロボットによる高荷重研磨なら生産性が非常に高い」と研磨材製品事業部の奥田倫敬事業部長は話す。

キュービトロンシリーズがさらに進化

三角形に成形された砥粒

 スリーエムジャパンは1月15日、工業用研磨材の新ブランド「3Mキュービトロン3」を発売した。
 2012年に発売した「3Mキュービトロン2」は、砥粒(とりゅう)を三角形に成形することで高い加工性能を実現した研磨材ブランドだ。キュービトロン3では性能をさらに高めるため、結合剤の改良や砥粒の再設計を行った。

切断砥石や研磨ベルトなど各種展開する

 キュービトロン3は、円盤状の切断砥石(といし)、円盤中央と周縁で段差のあるオフセット砥石、円盤状のファイバー基材に研磨材を塗布したファイバーディスク、ベルト状の基材に研磨材を塗布した研磨ベルトの4分野で展開する。
 切断砥石とオフセット砥石では分子結合技術を応用して結合剤を改良。砥粒と結合剤の摩耗バランスを最適化した。これにより、従来の一般的な製品と比較し、切断砥石では寿命を3倍できたという。

キュービトロン3研磨ベルトによる高速研磨のデモ

 ファイバーディスクと研磨ベルトでは、砥粒形状を再設計し、三角形の角をより鋭角化した。より鋭い砥粒で効率的に加工できる。ファイバーディスクの場合で、一般的な従来製品と比べ研磨スピードは60%向上した。

キュービトロン3を発表する奥田倫敬事業部長

 「キュービトロン3はロボットによる自動化と非常に相性が良い。長寿命のためディスク交換の頻度を減らせ、設備の停止時間を最小化できる。さらに、ロボットで強く押し付けて加工する高荷重研磨なら加工速度を大幅に高められる」と奥田事業部長は話す。

 同社はキュービトロン3を発売することで、27年までにキュービトロンシリーズの売り上げを現在の3倍にすることを目指す。

(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)

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