[特集FOOMA JAPAN2021 vol.4]包装での産ロボの用途が、10年で一変/大森機械工業
自動化案件の大半はロボット必須に
FOOMA JAPANでは、自社開発のロボットを展示
今回のFOOMA JAPAN(国際食品工業展)では、食品工場ならではの課題に対応した自社開発のロボット「キューブパレタイザー」を展示する。段ボールを荷役台(パレット)に載せるパレタイズ作業に特化したロボットだ。
食品業界は中小規模のメーカーも多く、工場内のスペースが限られる。包装工程の最後のパレタイズ作業で使えるスペースはわずか。パレタイズは単純で力の要る作業にも関わらず、顧客は設置スペースの問題で産業用ロボットを導入できないことが多かった。また、ロボット関連の知識を持つオペレーターの少なさも課題だ。
そこで、設置スペースを抑えられる箱型のロボットを開発した。パレット上部に直交軸を配置して段ボールを搬送する。部品点数を減らし、汎用的な直交軸などの要素部品を使うことで、ロボットの扱いに不慣れな人でもメンテナンスをしやすい構造にした。
加工食品は多品種少量生産に
今回のFOOMA JAPANでも自動化を提案するパレタイズ作業は包装作業全体で見ると、最終盤の工程にあたる。同作業では、従来からロボットを使う例が多かった。
以前はそれ以外の作業でロボットを使うことは多くなかったが、今では状況が変わったという。「産業用ロボットの用途が多様化している。工程内の作業の大半で、何かしらの形でロボットを使うようになった」(山中チーフ)。
一度包装した複数の対象物をまとめて、その上から二度目の包装をしたり、箱詰めする例は少なくない。食品そのものをロボットで扱う案件も増えている。
その背景には、食品業界のトレンドの変化がある。
社会やライフスタイルの変化で、加工食品の市場が拡大している。食品メーカーは個人の趣味や好みに合うように製品開発に注力し、種類が増えた。包装作業で扱う製品の種類は増えたが、一種類あたりの生産数は減少。加工食品は、少量多品種生産へと移り変わった。