生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2024.05.24

イベント

どこを見ても新商品・新機能! 注目分野を深耕【前編】/第33回ファナック新商品発表展示会

ファナックは5月13日~15日の3日間、山梨県忍野村の本社で「第33回ファナック新商品発表展示会」を開催した。新商品や新技術を多数発表し、一堂に展示した。防爆タイプの協働ロボットや物流向けの800kg可搬のロボットなど、ロボットの新商品に大きな注目が集まった。

協働型で防爆ロボット開発

協働ロボットのCRXをベースに防爆仕様を開発した

 ファナックは、ロボットの他に工作機械の制御装置やサーボモーターなども製造する。新商品発表展示会では同社が製造する全分野の新商品を展示するが、常に多くの来場者でにぎわっていたのがロボットの展示エリアだ。

 数ある新商品の中で特に注目を集めたのが、防爆仕様の協働ロボット「CRX-10iA/L Paint(ペイント)」。塗装に使うロボットで、国際規格に適合する防爆仕様の協働ロボットは世界初(同社調べ)という。
 「協働型なので、アームを手で動かして動作を覚えさせるダイレクトティーチも可能。来場者からの注目度は高い」(説明員)

800kg可搬で重量のあるパレットを積む

物流向けに800kg可搬の新機種を提案

 塗装には専用ブースが必要になるため実演はなかったが、その他の展示では実機を稼働させ、さまざまなデモを披露した。
 近年、ロボットの普及が進む業界の一つが物流だ。会場では物流向けの新商品も発表した。その一つが、800kg可搬の産業用ロボット「M-410/800F-32C」だ。会場では、パレット(荷役台)にペットボトルの水500kgを載せ、そのパレットを搬送するデモを披露した。
 床の上に平置きするだけでなく、ラックの上に載せる動作も実演し、上下方向にも広い動作領域を持つことをアピールした。

長い箱にも対応するデパレタイズシステム

 箱の情報を事前教示せずに、人工知能(AI)技術で自動認識するデパレタイズシステムも展示した。 
 サイズだけでなく、色や柄などが異なる多種多様な箱が混載されているカゴ台車から、自動で箱を取り出す。
 他の箱の倍以上の長さがある箱なども扱ってみせ、さまざまな箱に対応できることを来場者に示した。

食品仕様もラインアップ充実

 食品産業を意識した展示も目立った。
 協働ロボットの「CRXシリーズ」を食品仕様にした「CRX Food-Grade(フードグレード)」を展示。最大可搬質量5kgから30kgまでの全5機種を展示し、幅広いラインアップを訴求した。

 その他、軟らかいロボットハンドで食品をつぶさないように高速搬送するデモも披露した。

(――後編へ続く)


(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)


TOP