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2024.07.02

食品機械展でロボットに熱視線【その4】/FOOMA JAPAN2024

6月上旬に開かれた世界最大級の食品総合展「FOOMA JAPAN(フーマジャパン)2024」には、食品機械メーカーや食品産業を得意とするシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)などが多数出展した。FOOMAリポートの「その4」では、食品の入った段ボール箱や紙製の米袋などを扱うシステムを取り上げるほか、会場で展示されたロボットの周辺機器も紹介する。

ロボットがダンボール箱や袋、コンテナをハンドリング

ラインごと移動できるフジキカイのシステム

 包装機械メーカーのフジキカイ(名古屋市中村区、生田涌希社長)は、各種食品包装機器の他、段ボール箱を積み付けるパレタイジングロボットをアピールした。
 ファナック製の協働ロボットにシュマルツ(横浜市都筑区、ゲッテゲンス・アーネ社長)製の吸着パッドを装着したもので、パッケージとして販売している。最大の特徴は協働ロボットの台座とラインが連結している点だ。台座の下にハンドリフトやフォークリフトの爪を差し込むことで、ラインごと移動できる。
 ブース担当者は「設置や移動の手間がかからず、フレキシブルな利用ができる」と語る。台座周りの2面、または3面でパレタイジング/デパレタイジング作業ができる。

吸着パッドと金属アームでしっかり把持/エヌテック

丈夫な金属製のサポート機構がワークを下からしっかり支えるため、落下する心配がない

 飲料容器関連の自動化システムを得意とするエヌテック(岐阜県養老町、堤俊一郎社長)は紙袋向けパレジングロボットを展示した。
 この製品は30kgまでの紙袋を持ち上げることが可能で、真空吸着パッドで把持対象物(ワーク)を吸着した後は柵状のサポート機構で抱えるように支え、高速で横移動してもワークを落とすことがない。米袋のような重い紙袋の搬送を得意とし、1分間に最大6袋を搬送できる。
 自律移動型搬送ロボットと組み合わせて使用することも出来る。「これまでは飲料メーカーへの導入が中心だったが、食品メーカーにも販路を広げていきたい」とブース担当者は語る。

 アルトリスト(東京都調布市、橋田浩一社長)は段ボール開梱ロボットをアピールした。まずは箱を閉じているテープをカットし、フラップ部分を人間が開梱する時と同じように爪で引っかけて開梱するため、内袋を傷つけない。切りくずや粉じんが舞いにくく、資材への異物混入リスクを抑えられる。「食品業界だけでなく製薬工場などでも導入が始まっている」と橋田浩一社長は語る。

 業務用洗浄機メーカーのショウワ(兵庫県尼崎市、藤村俊秀社長)は、折り畳み式コンテナの洗浄ラインを展示した。折り畳まれたままでは洗浄できないため、ロボットで組み立ててから洗浄機に投入する。
 「投入時の組み立てから洗浄、その後の折り畳み、脱水など、一連の工程全ての自動化を提案できるのはわが社だけ」と広報担当者は話す。

  • アルトリストの開梱システムは人が箱を開くように開梱する

  • ショウワは折り畳みコンテナの自動洗浄を提案した

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