最新のAIシステムをウェブセミナーで紹介/デンソーウェーブ
AI模倣学習とは、①トレーニングデータの取得②学習③推論――の一連のプロセスをユーザー自身で簡単に実行できるシステム。トレーニングデータを集め、そのデータをAIに学習させて推論モデルを生成する。
ロボットが置かれた環境や状況からAIが未来の動作を推論し、ロボットアームを制御する仕組みだ。抹茶の粉末の秤量(ひょうりょう、はかりで重さを量ること)など、言語化しにくい作業をロボット化するのに役立つ。
トレーニングデータの収集方法は、手元に置いた協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」を操作して模倣させたい動作を再現するマスタースレーブ方式と、プログラムから直接模倣させたい動作を生成する方式の2種類がある。
コア技術であるAIエンジンは、米国のスタートアップ(新興)企業のIntegral(インテグラル)が開発した。デンソーウェーブは、AIエンジンを実装したソフトウエアを産業用パソコンに組み込んだ状態で顧客に提供する。今年3月に本格的に発売する予定だ。
セミナーでは冒頭、FA・ロボット事業部の澤田洋祐ソリューションビジネス推進部長があいさつし、「AI模倣学習はAIを使ってデンソーのロボットをリアルタイムで制御する汎用的なソフト。専用ソフトではなく汎用的なソフトである点が、業界的にも目新しい」と強調した。
その後、ソリューションビジネス推進部商品企画室の井戸本武士主任がAI模倣学習の概要や特徴、デモのアプリケーション(応用的な使い方)などを詳しく解説した。AIエンジンを開発したインテグラルのジャド・タリフィー最高経営責任者のショートインタビューも最後に放映した。
「双方向のやり取りを重視する」との考えから、セミナーの合間には質疑応答の時間を数多く設け、視聴者から寄せられた質問にリアルタイムで回答する様子も見られた。
今回のセミナーの反響を受け、2月9日には第2回、2月25日には第3回の開催も予定する。参加費無料、定員は最大100人。希望者を対象に「個別相談会」も開催する。申し込みは特設ページから。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)