
[特集 国際ロボット展vol.12]来場者14万人超! 各社ブースに新製品や新技術
2年に1度の展示会「2019国際ロボット展(iREX2019)」が12月18日~21日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。過去最大の出展規模となった今回展は、来場者も前回展より1万人以上多い14万1133人を記録した。会期中に公開した速報記事で紹介した以外にも、各企業が新製品や新技術などを発表した。
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2年に1度の展示会「2019国際ロボット展(iREX2019)」が12月18日~21日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれた。過去最大の出展規模となった今回展は、来場者も前回展より1万人以上多い14万1133人を記録した。会期中に公開した速報記事で紹介した以外にも、各企業が新製品や新技術などを発表した。
ナベルホールディングス(HD、三重県伊賀市、永井規夫社長)は最近、ロボット関連の事業に力を入れている。ロボット用カバー「Robot-Flex(ロボットフレックス)」の販売と台湾の達明機器人(テックマン・ロボット)の協働ロボット「TMシリーズ」の輸入販売を手掛ける。後編では、TMシリーズの輸入販売の事業を紹介する。「協働ロボットとカバーをセットで提案できる強みを生かしたい」と永井社長は強調する。
「ジャバラ」と呼ばれる、機械の可動部カバーを販売するナベルホールディングス(HD、三重県伊賀市、永井規夫社長)。製造部門としてナベル(住所と代表者はナベルHDと同じ)を傘下に持ち、製造と販売を分けて事業を展開する。ナベルHDは現在、ロボット関連の事業に注力しており、自社ブランドのロボット用カバー「Robot-Flex(ロボットフレックス)」の販売と、台湾の達明機器人(テックマン・ロボット)の協働ロボット「TMシリーズ」の輸入販売を手掛ける。ジャバラメーカーがロボット事業に挑戦する理由とは? 永井社長とロボット事業を担当する永井杏奈取締役に話を聞いた。
「2019国際ロボット展(iREX2019)」が21日まで、東京都江東区の東京ビッグサイトで開かれている。今回注目を集めたのが、新型協働ロボットとデジタルツイン技術だ。ハードウエア、ソフトウエアの両面からより手間なく柔軟に使えるロボットシステムの提案が相次ぐ。また、低コストかつ短期間で立ち上げられるパッケージシステムを提案する企業も目立つ。
精密小型モーターメーカーのシナノケンシ(長野県上田市、金子元昭社長) は11月、 電動3爪ロボットハンド「ARH305A」がデンマーク・ユニバーサルロボット(UR)の「UR+(プラス)」認証を取得したと発表した。日本メーカーのロボットハンドが認証を取得するのは今回が初めて。「ロボットハンドのメーカーとしては後発だが、展示会などでの反応は良い。3年後に年間1000台の販売を目指す」と中込真二執行役員は話す。
ロボットは地面に固定して使うもの――。そう考える人も多いだろう。ドイツのロボットメーカー、KUKA(クカ)は近年、高性能な自社の協働ロボットを自律型搬送装置(AGV)に載せて使う提案をする。また日本では珍しい、ロボットによる切削加工も積極的に提案する。どちらも多品種少量生産時代に合わせた、適応性の高い柔軟な生産ラインを築くために必要な要素だという。
ファナックでは、モノのインターネット(IoT)システム「FIELD system(フィールドシステム)」や人工知能(AI)技術を駆使し、高度な技術を用いながらロボットの使いやすさを探求している。しかし「技術の追求自体が開発目的となるような、自己満足の開発に陥らないようにしたい。現場視点で使いやすいと感じられるような機能、システムを実現する。その実現手段の一つとして、技術を追求している」と稲葉清典専務は語る。「2019国際ロボット展」(iREX2019)でもこうした現場で使える最新技術を披露する計画だ。
中型や小型の産業用ロボットメーカーとして、1980年代からロボットを外販してきた三菱電機。今回の「2019国際ロボット展(iREX2019)」では、前回展で参考出展した人協働ロボットをさらに熟成させた、新タイプを出展する。新設された南館にスマートファクトリーを再現し、製造ラインでロボットをどう活用できるかのビジョンを示す考えだ。提携する米国の人工知能(AI)ベンチャーとの新産業用ロボットシステムも披露する。
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。前編で解説した第1弾と第2弾に続き、後編では第3弾と第4弾を紹介する。「台車に載せて移動式にしたり、人が近くにいても作業を継続するなど、常に新たなことに挑戦している」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。
日産自動車の横浜工場は、2014年から協働ロボットを使った自動化に取り組む。製造部に新設された「革新製造技術チーム(革新チーム)」が中心となり、これまでに4つの協働ロボットシステムを構築した。エンジンの組み立て工程の一部を協働ロボットが担う。「狭い空間で人と一緒に働ける協働ロボットは、既存の生産ラインを変えずに製造工程の改善ができる」と革新チームリーダーの白石京専門工長は言う。