ロボット事業に挑むジャバラメーカー【後編】/ナベルホールディングス永井規夫社長、永井杏奈取締役
きっかけはロボット用カバー
――ナベルHDは2018年10月にテックマン・ロボットと代理店契約を結びました。そもそも、どういう経緯で知り合ったのでしょうか?
永井社長:きっかけはロボット用カバー「Robot-Flex(ロボットフレックス)」でした。テックマン・ロボットにロボットフレックスを営業する中で、つながりができました。
永井取締役:テックマン・ロボットの協働ロボットに対する考え方に共感しました。オリジナリティーを追求する姿勢や製品開発の理念が魅力に映りました。
――それで代理店になった?
永井社長:代理店になった理由は大きく2つあります。一つは、ロボット用カバーの開発に生かせると考えたからです。ロボット用カバーだけを提案していては、顧客のニーズが間接的にしか得られません。しかし、自社でロボットを直接取り扱えれば、「ロボット用カバーを長年使うとどういう風になるのか」などの問題を社内で検証できますからね。
スマート、シンプル、安全が特徴
――TMシリーズの特徴を簡単に教えてください。
永井取締役:TMシリーズの特徴は①SMART(スマート)②SIMPLE(シンプル)③SAFE(安全)――の3つです。ビジョンセンサーが標準で搭載されており、カメラを使った高度な自動化システムを簡単に構築できます。また、カメラがあると配線が複雑になりそうですが、TMシリーズは内部配線でとてもシンプルです。ロボットアームを直接動かして教示する「ダイレクトティーチング機能」も搭載し、簡単に操作できるのも特徴です。シンプルなロボットなので誰でも扱えます。もちろん安全性にも十分に配慮されています。
――TMシリーズの拡販にあたり、御社の優位性はどこに?
永井社長:やはり協働ロボットとカバーの両方を一緒に提案できることです。今後、両製品のセット提案をもっと強化していかなければなりません。
――ターゲット業界は?
永井社長:自動車や食品、半導体などいろいろな業界をターゲットに営業活動しています。しかし、協働ロボットの最適な使い方については各社とも模索している状況です。
永井取締役:一社一社の顧客のニーズをしっかりと聞き、協働ロボットを使って何がしたいのかを整理したうえで提案していきます。
展示会でもTMシリーズをPRする
――そうすると顧客開拓が重要になりますね。
永井社長:テックマン・ロボットの代理店になってからの1年間で、販売ネットワークの構築に取り組みました。最近は大手機械商社の山善との協力体制も構築し、販売力の強化に努めています。山善だけではなく、さまざまな領域に強みを持つ二次代理店の開拓に注力しました。また、各所で開催される展示会や、本社工場内に設けたショールームやセミナールームも有効に活用しています。
永井取締役:今年10月に名古屋市内で開催された工作機械の見本市「メカトロテックジャパン2019」では、ロボットハンドメーカーのシュンク・ジャパン(東京都品川区、谷本昌信社長)の小間にTMシリーズを展示しました。ハンド目当ての来場者が多かったですが、TMシリーズに関する具体的な案件もいくつかありました。また、12月に東京で開かれた「2019国際ロボット展」に、わが社も出展しました。TMシリーズに加え、ロボットフレックスを前面にPRしました。