米国展示会で見た!自動化提案の最前線/米国国際製造技術展(IMTS)【後編】
丸棒材料の外周と内面を一貫して加工
大手だけではなく、中堅規模の工作機械メーカーも自動化システムを数多く展示した。各社とも自社製品に合った形で自動化システムを構築し、来場者に披露した。
岡本工作機械製作所は、円筒研削盤と呼ばれる丸棒形状の材料の外周を高精度に加工する工作機械と、内面研削盤と呼ばれる丸棒材料の内面を高精度に加工する工作機械を、ロボットで連結した自動化システムを展示した。
ロボットがそれぞれの機械に材料を取り付けたり取り外したりすることで、丸棒材料の外周と内面を一貫して加工できるようにした。前編でも紹介した、「付加価値が低いワークの搬入出作業」を自動化した事例の一環だ。
この自動化システムの構築は、岡本工作機械製作所の米国現地法人が担った。「自社で自動化システムが組めることをPRしたかった」と現法駐在員は狙いを語る。
角形材料ではパレットチェンジャー
ロボットはIMTS2018の展示会場の中で、丸棒材料を加工する工作機械向けの自動化システムに比較的多く使われていた。
だが、工作機械には丸棒材料を加工するタイプの他に、板材やブロック材など角形材料を加工するタイプがある。角形材料を加工する工作機械では、パレットチェンジャーと呼ばれる、部品を機械に自動的に供給する装置を使った自動化システムが多く見られた。
松浦機械製作所(福井市、松浦勝俊社長)は、パレットチェンジャーを活用した自動化提案「シンプルオートメーション」を展示の目玉に据えた。
同社は自社製品に合ったパレットチェンジャーを独自で製作している。IMTS2018でも自社製品とセットで展示し、シンプルな自動化をアピールした。
この他、米国の機械商社、メソッドの小間に出展した安田工業(岡山県里庄町、安田拓人社長)も自社製品に大型のパレットチェンジャーを搭載したシステムを披露した。