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2025.03.04

食品包装のラベルを判読するAIを発売/山善

 山善は2月13日、人工知能(AI)を搭載した画像検査装置「EYEbeGENESIS TEXT(アイビージェネシス・テキスト)」と「EYEbeGENESIS premium(アイビージェネシス・プレミアム)」を発売した。アイビージェネシスは、従来よりも少ないデータで効率的に学習できる最新のAIを搭載する。装置メーカーでAI開発も手掛ける三友工業(愛知県小牧市、花木諭一社長)がパートナーとして製品化。山善グループが販売を担い、2025年度に3億円の売り上げを目指す。

 アイビージェネシス・テキストは、検査対象の画像をあらかじめ学習しておくことで、高い精度で文字を判読する。凹凸や湾曲でゆがんだ文字も正しく認識する。例えば、食品包装に印刷されたラベルの文字を、食品の包装後に検査できる。従来は包装前にしか検査できなかった。山善の産業ソリューション事業部の奥山真吾戦略企画部長は「テスト環境では100%の精度で判読できた」と話す。ロボットなどを使い自動化に取り組むうえで、ラインの出口で高精度な検査ができる意義は大きい。

  • 湾曲したり傾いていても問題なく認識する

  • テストでは学習データと異なる文字を100%検出した

 同プレミアムは、8つの学習モデルを使い分け、パラメーター設定の異なる96通りのAIを生成し、最も高性能なAIを選択することができる。 「各学習モデルは特性が異なり、生成されるAIにも少しずつ得手不得手が出る」と奥山部長。
 学習モデルは最新バージョンを搭載し、導入後も有償で更新に対応する。また、検査項目別に複数のAIを連結させることで精度向上を図る。せんべいの検査で例えると、焼き色や具材のトッピング具合、欠けなどの形状を検査する場合、1つのAIですべてを学習するのではなく、項目別にAIを生成することで高精度な検査ができるようになる。

(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)

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