コア技術生かしてロボット分野を開拓。電動グリッパーも新発売/オリエンタルモーター
アクチュエーターやファンも手掛ける
バッテリー切れを気にしない
同社は現在、自社製品を生かしロボット市場の開拓に注力する。
そのコア技術になるのが、2013年に発売した「ハイブリッド制御システム αSTEP(アルファステップ) AZシリーズ」だ。
AZシリーズはステッピングモーターをベースに、位置情報を記憶する独自開発のアブソリュートセンサー「ABZO(アブゾ)センサ」を搭載したもの。
アブソリュートセンサーをモーターに取り付けると、電源をオフにした状態でもセンサーが位置情報を記憶しているため、原点復帰の作業が不要になる。しかし、通常は位置情報を記憶するためのバッテリーが要る。定期的なメンテナンスが必要なうえ、バッテリー切れを起こすと位置情報も失われてしまう。
一方、AZシリーズに使われるアブゾセンサは、内部に搭載された複数の歯車のかみ合わせによって機械的に位置情報を記憶するため、バッテリーが要らない。そのため、バッテリー切れを気にすることなく使えるのが特徴だ。
アプリケーションの一つ
記者が取材した、19年7月17日に名古屋市千種区の多目的ホール「吹上ホール」で開かれたオリエンタルモーターフェアにも、自作ロボットやEHシリーズが展示された。
「自作ロボットや電動グリッパーは、AZシリーズを生かせるアプリケーション(応用的な使い方)の一つ。自社製品の特徴を分かりやすくアピールするために展示した」と担当者は説明する。
自作ロボットでは、7軸の垂直多関節ロボットとパラレルリンクロボットなどを披露した。7軸ロボットでは6種類のAZシリーズを使い、ハンドにはEHシリーズを搭載した。
ゲームのコントローラーで7軸ロボットを操作し、クレーンゲームの要領でおみくじの入った箱をつかむ体験型のデモも実施し、来場者の関心を集めた。
オリエンタルモーターフェアは名古屋以外では、19年6月20日に東京都大田区、7月23日に大阪市中央区、7月26日に福岡市博多区でそれぞれ開かれた。
今後は、11月15日に愛知県刈谷市の「刈谷市産業振興センター」で、11月19日に京都市伏見区の「京都パルスプラザ」で、12月10日に埼玉県川越市の「ウェスタ川越」でそれぞれ開催する予定だ。
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)