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2020.07.09

【特集】[集結! 自動化の最新提案vol.6]さまざまなアプローチで周辺機器・部品を開発

新型コロナウイルス禍や高齢化、人口減少などを背景に自動化のニーズが高まるのは間違いない。今後は、現場ごとで違うニーズにどう対応するかが問われる。周辺機器や部品には、多様なニーズに柔軟に対応するための緩衝材の役割があり、日々新たな製品が開発されている。性能や機能のグレードアップ、発想の転換、既存製品の組み合わせなど、開発のアプローチもさまざまだ。

ベストセラー製品を改良/ベッコフオートメーション

ベッコフの超小型IPC「C6017」は充実したインターフェースを持つ

 ドイツに本社を置く制御機器メーカーのベッコフオートメーションは、新しい技術や製品を開発、市場投入し続け、制御システムの進化に貢献している。主力製品である産業用パソコン(IPC)では、ベストセラーの超小型IPC「C6015」の派生モデル「C6017」の提案に力を入れる。

 C6015やC6017は工作機械やロボットの組み込み型メインコントローラーとして使える。C6015はコンパクトさを追求した結果、外部インターフェースが限られた。C6017は横幅がC6015の1.5倍になったが、それでもなお82×82×66mmという手のひらサイズを維持。サイズがやや大きくなった一方で、イーサネットやUSBポートを増やした。また、屋外での使用で要望の多かった、急な電源切断時に1秒以上のシステム維持を保証し、PC内のデータを保護する機能「1s-UPS」もオプションで対応する。

 また、「TwinCAT Vision(ツインキャット・ビジョン)」は、画像センサーのデータをリアルタイムで取り込むためのソフトウエアパッケージ。ロボットなどの視覚機能を強化し、設備の自動化や高機能化に貢献する。将来的にリアルタイム計測や制御を実現する足掛かりとなる技術だ。日本法人の岸泰生ソリューション・アプリケーション・エンジニアは「C6017やツインキャット・ビジョンは、わが社の製品ラインアップの中軸になっていくと期待している」と話す。

あえて手動/コスメック

協働ロボットのツールを手動で交換するコスメックの「SXR」

 工作機械向けの加工補助具(ジグ)やロボットのツールチェンジャーなどを手掛けるコスメック(神戸市西区、白川務社長)は、位置決め精度の高さを生かして自動化やロボットの普及を進める。昨年12月の「2019国際ロボット展」で発売した協働ロボット向けのツールチェンジャー「SXR」は、ツールの自動交換ではなく、あえて手動交換時の使いやすさを追求した。

 SXRは電気や空気を使わず、完全に機械構造だけでツールを固定する。非常に軽いこともあり危険性が小さく、女性でも簡単に使える。デンマークのユニバーサルロボットの認証周辺機器として「UR+(プラス)」の認証を受けた。アダプターを使うことでさまざまなメーカーの協働ロボットに装着できる。白川社長は「発売後の受注は好調で、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)やロボットユーザーにPRしたい」と話す。

 ピンクランプ「SWP」やパレットクランプ「WVG」は今年7月に発売した新製品。SWPは、ピンを穴にはめることで、加工対象物を正確な位置に固定するのに使う。自動車部品などの溶接工程で溶接対象の固定に使われることが多いが、小型軽量でロボットハンドのようにも使える。穴にピンをはめた後、ピンの根本が広がって正確に位置決めをする機構を持つのが特徴だ。外す時は径が縮むので外しやすい。

 WVGは安全性を高めたクランプ(固定)機器。クランプ中は落下防止用のボールが引っ込まない機械構造で、エアの供給が止まっても落下しない。コンパクトで脱着が容易なのも売りだ。

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