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2020.09.07

源流は自動車部品、技術を生かしニーズを形に/近藤製作所

近藤製作所(愛知県蒲郡市、近藤茂充社長)は①自動車部品②FAシステム③ハンド&チャック ロボット周辺機器④スマートファクトリーLabo(ラボ)――の4本柱で事業を展開する。①の自動車部品が源流で、②~④の事業部は自社の自動車部品工場のニーズと、顧客のニーズから派生して設立された。社内で蓄積した技術を生かし、顧客ニーズを形にし続け、業容の拡大につなげた。

現場に根差す

「現場に根差し、自分たちが欲しいと思うものを開発する」と語る近藤茂充社長

 近藤製作所は自動車部品の製造や、ガントリーローダーやロボットシステムを中心としたFAシステムの構築、ロボットの周辺機器の開発、製造、販売を手掛ける。FAとは工場の自動化(ファクトリーオートメーション)のことで、最近は画像認識や人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)などの技術を生かしたスマートファクトリー(次世代工場)の研究開発にも取り組む。

 昨年に創業80周年を迎えたのを機に会社ロゴを刷新した他、自社のそれぞれの事業部を①自動車部品②FAシステム③ハンド&チャック ロボット周辺機器④スマートファクトリーラボ――と定め、組織体制も一新した。

 最大の強みは、同社が掲げる「ニーズをカタチに」の合言葉の通り、顧客の現場のニーズに即した製品やシステムを提案できることで、その源泉は社内の自動車部品工場にある。①の自動車部品は同社の源流とも言える事業部で、ブレーキやエアバッグなどに使われる冷間鍛造(金属材料を熱さずに圧力をかける加工法)部品を量産する。
 ②~④の事業部は全て、自社の自動車部品工場のニーズと、顧客のニーズから派生して設立された。自動車部品工場からニーズを吸い上げると共に、それぞれの事業部で開発した製品やシステムを自動車部品工場で実証して正式な販売につなげる。

 社内で蓄積した技術を生かし、顧客ニーズを形にし続け、業容の拡大につなげた。近藤社長は「現場に根差し、自分たちが欲しいと思うものを開発する」と語る。

  • 創業80周年を機に刷新した会社ロゴ(提供)

  • 近藤製作所の各事業部(提供)

新工場棟で大型ラインの製作に対応

大型ラインを製作できる坂本工場の新工場棟(提供)

 ②のFAシステムはガントリーローダーや走行ロボットなどを使い、さまざまな自動化システムを構築する事業部だ。システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)の役割を担う。
 各種専用機も設計、製作し、顧客のニーズにトータルで対応する。「工場の自動化を1から10までトータルで請け負えるのは全国でも数少ない」と近藤社長は強調する。

 自動車業界がメインの顧客層で、細かな仕様まで綿密に打ち合わせ、顧客のニーズに沿って自動化システムを専用設計する。

パレタイジングのパッケージシステム(提供)

 大型ラインの受注も多く、昨年にはFAシステムの主力生産拠点である愛知県蒲郡市の坂本工場に新工場棟を建設した。60m級のラインを構築できるだけのスペースを確保し、大型ラインの需要増加に応える。

 最近は新しい駆動機構を採用した、低床で省スペースなパレタイジングのパッケージシステムの開発にも取り組む。段ボール箱の積み下ろし作業の自動化に力を発揮する。
 人手不足が深刻な食品や化粧品、医薬品の「三品産業」や物流業界などに攻勢をかける考えだ。

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