[活躍するロボジョvol.14]ロボットを動かすのは人/芝浦機械 佐々木美帆さん(1/3)
文系総合職でもスクール講師に
芝浦機械の佐々木美帆さんの所属は制御機械カンパニーの制御機械営業部営業企画課。営業企画部門の業務は、販売促進に関わる幅広い分野にわたる。制御機械カンパニーで取り扱う品目はロボットだけでなく、プログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)やサーボモーター、NC装置などで、担当するフィールドはそれら全般だ。
「指導役の先輩女性社員の仕事ぶりに近づけるよう精進してます」と爽やかにほほ笑む。
新たな試みとして、営業企画課員がロボットスクールの講師を担当することになり、佐々木さんも選ばれた。スクール講師を文系総合職が担当できるチャンスはあまりないという。
基本と応用の2コースあり、受講者にはロボットを実際に扱う技術者や商材としてロボットを扱う営業マンもいる。
スクール講師を担当することが決まってからの一年間は準備期間。スクールにはもちろん参加して雰囲気をつかみ、代々使用されるテキストで基本的な知識を学び、実習も重ねた。ティーチングペンダントを使いこなしたり、芝浦機械独自のプログラミング言語を習得したりと、準備を進めた。プログラミングには特に苦労したという。
ロボットが見せる顔は違う
「『あ、なるほど!』を積み重ねてロボットについての知見を身につけている。今でも苦労しながらですが……」と苦笑いしつつ、「ロボットは難しいけれど、動かすのは人。丁寧に、安全に。使い方次第で、ロボットが見せる顔は違うもの。スクール受講者が安全第一で使いこなせるように、役に立ちたい」と使命感もにじませる。
スクールは上期と下期に分けて受講者を募集している。新型コロナウイルス禍でスケジュール通りに開講できず、感染状況によっては延期することも少なくない。そもそも受講者数を絞って少人数制にもしている。
スクールでは2日間みっちりテキストに沿って講習を行う。「教え子はまだ5~6社ほど。中にはベテラン世代も、若い世代もいる。ロボット自体の経験はあっても芝浦機械のロボットは初めての人もいる。やりたいプログラムを持参したりと、時には鋭い質問も飛んできたり。技術担当に助けてもらいながら対応することもあります」と話す。
正直なところ、ロボットにここまで関わることができるとは思っておらず、とても新鮮な毎日を送っているという。「働いていて楽しい。スクールでは受講者の『分かった!』の瞬間に立ち会えたりもする。実機を稼働させると、受講者のイメージが具体的になっていくのが分かってうれしくなる。スクール講師は緊張するけれど、やっているうちに『乗ってくる』。緊張しやすいくせに、やりだすと楽しめている自分も」と照れ笑いする。