[気鋭のロボット研究者vol.26] 見ず触れず検知するロボットハンド【前編】/大阪大学 小山佳祐助教
ハンドがワークに追従
光沢あっても、透明でも
光沢のある金属や透明なプラスチックでも認識する。データに特別な補間処理をすることで実現した。小山助教は「反射光を使うセンサーは1970年代から研究されてきたが、AIそのものとAIを活用する技術が進歩したことで可能になった」と話す。
今年8月に設立したThinker(シンカー、大阪市中央区、藤本弘道社長)は、小山助教が取締役を務め、近接覚センサーを使った製品やソリューションの開発を主な事業とする。近接覚センサーそのものは2023年に発売する予定で、現在は製品に近い試作品を検証中だ。「ハードの精度を追求し過ぎると複雑なシステムになってしまう。ソフトで適切に補い、量産に適したバランスに調整した」と小山助教。
後編では、近接覚センサーを使ったピッキングシステムの例を紹介する。
――後編に続く
(ロボットダイジェスト編集部 松川裕希)
小山佳祐(こやま・けいすけ)
2017年電気通信大学大学院情報理工学研究科知能機械工学専攻博士課程修了、博士(工学)。同年東京大学大学院情報理工学系研究科特任助教、19年10月客員研究員。19年4月大阪大学大学院基礎工学研究科招聘教員、10月助教。日本機械学会会員、日本ロボット学会会員、計測自動制御学会会員。電子工作や鉱物結晶のDIYが趣味。和歌山県出身の32歳。