[2023国際ロボット展リポートvol.19]ロボットにプラスαで機能を付与/ATI、ワコーテック、三共製作所、木村洋行、テイアイテイ、リモートロボティクス(1/3)
高精度な6軸力覚センサーなど展示/ATIインダストリアルオートメーション
米国のATIインダストリアルオートメーションは、ロボット用の力覚センサーやツールチェンジャーを展示した。6軸力覚センサー「Axia(アクシア)80-M8」は、0.04Nの分解能を持つのが大きな特徴。分解能とは信号をどれだけ細かく検出できるかを示す能力で、値が小さいほど高精度になる。
グローバルセールス部門を統括するエバン・ヘーリー副社長は「国際ロボット展は世界のさまざまな企業が出展しており、海外からの来場者も多く、質の高いロボット展示会だと感じる。米国ではわが社の力覚センサーやツールチェンジャーのシェアが高い。日本でもシェアを伸ばせるよう、商社とのパートナーシップの強化を図り、シェアを伸ばしていきたい」と語る。
また、プロダクトマネジメントを統括するアジェイ・シャーマ副社長は「中小規模の部品メーカーは人材不足に特に苦しめられており、自動化の需要は高い。わが社の力覚センサーで問題解決を推進したい」と話す。
低価格化を図った新製品/ワコーテック
力覚センサーメーカーのワコーテック(富山県高岡市、岡田和廣社長)は静電容量型の6軸力覚センサーの新製品「ZEF-Dシリーズ」を国内初披露した。
従来品と性能は同等にしつつも、製造方法などを見直してコストを40%ほど削減したのが特徴だ。
営業部の里埜将大課長は「そもそもわが社の力覚センサーは静電容量式のため構造がシンプルで、競合他社と比べて価格優位性が高い。その上で、従来はアルミ部品を切削して製造していたが、新製品はアルミダイカスト(溶かした金属を金型に圧入して成形する鋳造技術)を採用したことでさらなる低価格化を実現した」と述べる。
ブースではデンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)の垂直多関節ロボットに取り付け、曲面形状の部品の倣い動作や歯車部品の組み立て作業のデモを実施した。