[SI基礎講座vol.20] 導入ステップ④
導入の4つのフェーズ
ここでは、ロボット導入の手順について説明します。「ロボット導入ステップ①」でも紹介した4つのフェーズ、「事前検討・調査」「仕様検討」「導入・立ち上げ」「改善・保守」ですね。
1つ目の「事前検討・調査」では、導入の目的が何なのかをまず明確にしてください。「いつのまにか目的が変わっていた」なんてことがあってはいけません。それと、導入して運用するに当たって、人や場所、環境などは問題ないのかもちゃんと調査しておきましょう。
人であれば、オペレーションする人の力量に問題はないか。もし力量に不足があるなら、どう対処するのかも考えなければいけません。場所は、ずっと同じ場所に置いておけるのか、システムの移動が必要かなど。環境では、湿度や光などの条件に問題はないか。電源やエアなども必要ですよね。
それと投資効果の算出も重要になります。
次に「仕様検討」です。産業用ロボットにも垂直多関節型や水平多関節型、直交型、双腕型などいろいろあります。どの範囲を安全柵で囲む必要があるのか、囲わなくてよいのならどういった条件になるのか。ワーク(作業対象物)の設置だけは人手でするのか、その作業からロボットにさせるのかなど、人とロボットの作業分担も決めなければいけません。ロボットの選定には扱うワークの大きさや重さ、形状などを考慮する必要があります。何か異常が発生した場合、自動化設備は不良品を作り続けてしまうため、その対策も大事ですね。
導入企業がこれらを要求仕様書の形にまとめ、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)に提出します。