人手不足に直面! 米国製造業で「自動化は必須」に【前編】/IMTS2024
活気は戻ったか!?
「シカゴショー」とも呼ばれるIMTSは、世界4大工作機械見本市の一つにも数えられる大規模な展示会だ。
過去最大規模だった2018年展ほどではないが、新型コロナウイルス禍直後の22年展と比べれば、今回展はある程度活気が戻ってきたと言えるだろう。前回は出展を見合わせたり、大幅に規模を縮小した企業の一部が、今回展では再び大小間で出展していた。
北米の設備財産業の景況はあまり良くない。自動車業界の設備投資は低迷が続く。航空機産業もコロナ禍でサプライチェーンの一部が崩れ、ボーイングの航空機事故もあって低調だ。防衛や医療など悪くない業界もあり、まだら模様だが全体としてみれば「今頃はもう少し回復しているかと思ったが、想定より回復が遅い」(日系工作機械メーカー幹部)。
自動化は「必須」に
足元の受注は低調だが、「引き合いは少なくない」と話すメーカーは多い。
その理由は人手不足だ。どこも人手不足で、省人化につながる自動化や工程集約への関心がかつてないほど高まっている。インフレに伴い人件費は高騰しており、また製造業はあまり人気がない産業であることも、人手不足に拍車をかける。コロナ禍で従業員を大量に解雇した企業もあり、コロナ後の需要回復への対応に苦労する企業は多い。
IMTSの主役は工作機械だが「米国では工作機械を新規導入する際は、何かしらの自動化機器を付けることが当たり前になってきた」と関係者は言う。
こうした状況を反映し、IMTSでも多くの展示機に自動化機器が付属していた。機械と一体化して導入しやすい自動パレットチェンジャー(APC)を展示する企業も多かったが、産業用ロボットと組み合わせた展示も注目を集めた。