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2025.02.10

高速でバラ積みピッキング可能なロボットシステムを発売/Thinker

 大阪大学発のベンチャー企業Thinker(シンカー、大阪市中央区、藤本弘道最高経営責任者)は1月30日、バラ積みピッキングシステム「Thinker Model A(シンカーモデルA)」を発売した。

 シンカーモデルAは協働ロボットとロボットハンド「Think hand F(シンクハンドF)」、簡易2Dカメラシステムで構成される。
 シンクハンドFの可搬質量は300gで、独自開発のロボットハンド向けセンサー「近接覚センサーTK-01」を搭載する。赤外線と人工知能を組み合わせた独自のセンシング技術で、物の位置と形を非接触で把握できる。
 シンクハンドFだけでもバラ積みピッキングに対応できるが、簡易2Dカメラと独自の画像処理システムで対象物(ワーク)の位置を素早く割り出せるようになり、作業の高速化を実現した。例えばバラ積みされたねじを1時間で約700個ピッキングでき、人の手作業とそん色ないスピードで作業が可能になる。

 中野基輝最高技術責任者は「バラ積みされたワークだけでなく、たわむトレーに置かれたワークや柔軟なワーク、もろいワークのピッキングも問題なくこなせる」と強調する。
 顧客の要望に合わせたラインアップの拡充も視野に入れており、3年後にピッキングシステムの年間売上額10億円を目指す。

(ロボットダイジェスト編集部 斉藤拓哉)

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