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2024.07.03

[ショールーム探訪Vol.23]専門メーカーならではの提案の場に/パナソニック コネクト「プロセスエンジニアリングセンター」

パナソニックグループで事業者向けのソリューションサービスを担うパナソニック コネクト(東京都中央区、樋口泰行プレジデント兼最高経営責任者<CEO>)は、溶接ロボットシステム製品の提案や顧客の課題解決の場として「プロセスエンジニアリングセンター(PEC)」を設ける。「さまざまな溶接に対応する工法や溶接条件を開発し、機器にフィードバックすることで、溶接機器メーカーとしての特徴を出すことに注力をしてきた」と熱加工システム総括部業界マーケティング部プロセスエンジニアリング課の佐藤公哉マネージャーはいう。PECでは溶接機器に特化したメーカーならではの提案が見られる。

大阪梅田から乗り換えいらず

 パナソニック コネクトがPECを構える大阪府豊中市は大阪市の北部に位置する。北大阪急行や阪急宝塚線、大阪モノレールといったさまざまな公共交通機関が通る交通の便の良さに加えて、大阪国際空港もあるため、国内における大阪の玄関口の一面もあわせ持つ。

 豊中市を縦断する阪急宝塚線の庄内駅が最寄り駅だ。大阪市の中心駅である大阪梅田駅から普通電車に乗れば、乗り換えをせずとも10分ほどで庄内駅に着くため、アクセス性に優れる。庄内駅から線路沿いを北方面に8分ほど歩くとパナソニックの大きなロゴが見えた。

  • 駅から少し歩くとパナソニックのおなじみの会社ロゴが見えた

  • プロセスエンジニアリングセンターの外観

課題解決の場としても活用

ショールームエリアを訪れる前に池谷啓司シニアダイレクターからPECの概要などについて話を聞いた

 PECに入って目を引いたのは、これまで同社が開発、製造してきた溶接電源が一堂に並べられた展示ゾーンだ。溶接電源とは、溶接に必要な電力を供給する電源装置だ。パナソニック コネクトは通常の溶接電源に加えて、溶接電源とロボットコントローラーを組み合わせた溶接用ロボットシステム「WG4/WGH4シリーズ」などを開発、製造する。
 
 まずはPECの概要やパナソニック コネクトの取り組みについて説明を受けた。PECは製品の展示とトレーニング、施工実証、コンサルティングの4つの機能をあわせ持つ。国内では、大阪以外にさいたま市と愛知県長久手市にもある他、アジア地域や欧米など海外のさまざまな地域に設置している。
 同社は顧客と直接対話できる機会を重要視しており、移動式の実演展示会「パナソニックロード」やプライベートショー「ウェルディングプロセスソリューションフェア」を都度開催している。期間が限られるイベントとは違い、PECは顧客の声に対して常に耳を傾けられる重要な拠点だ。

 「PECは最新の溶接機や溶接ロボットの展示や新しい溶接工法の紹介だけでなく、課題を抱える顧客に対してテスト溶接などを通して課題の解決を図る場でもある」と熱加工システム事業統括の池谷啓司シニアダイレクターは語る。

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