鍵は「大量」と「簡単」。物流自動化の最新トレンド
不定形物を仕分け
電子部品や半導体を扱う技術商社の東京エレクトロンデバイスも高度なピッキングシステムを展示した。
生産現場や物流現場向けのロボットシステム「TriMath(トリマス)」を使い、容器に乱雑に入った対象物を取り出すばら積みピッキングを実演。一般的にばら積みピッキングでは、定型の対象物を認識して把持するものが多い。それに対し、会場では、不定形な石や木材が乱雑に入った容器内から個別に取り出し、仕分けした。
「光学機器と画像処理技術、AIをまとめてパッケージにした。それを核に、ロボットやロボットハンドなどをまとめて制御し、連携して動作させる。そのため、複雑な教示作業をせずに、不定形物の認識や仕分けをできる」と担当者は運用の簡単さを訴求した。
1mm未満のすき間を克服
スウェーデンに本社を置く真空機器メーカー、ピアブの日本法人ピアブ・ジャパン(東京都葛飾区、吉江和幸社長)は「Kenos(ケノス)真空グリッパー」を展示した。
会場では、結束バンドをしたまま段ボール箱を持ち上げた。一般的に結束バンドがあると、真空グリッパーと段ボール箱の間にわずかな隙間ができる。そのため、空気が漏れて吸着しきれずに把持が安定しない。
そこで、吸着パッドをスポンジ状にし、対象物に吸着できていない吸気口を塞ぐ内部構造を取り入れて安定性を高めた。
吉江社長は「ケノスシリーズは従来の真空グリッパーでは対応しにくい案件にも、オーダーメイドで対応する。国内ではパレット1枚分の1100mm四方のサイズまで製作実績がある。対象物に最適な形状のハンドを使えば、当然安定性も高い」とアピールする。