[国際ロボット展 特別リポートvol.18]要素技術でロボットが変わる/ニコン、日本電産シンポ、Kyoto Robotics、シナノケンシ、CKD
小型でも高精度に/Kyoto Robotics
近年、ロボットに高度な作業をさせる場合に不可欠となっているのが、ビジョンセンサーだ。ロボット用ビジョンセンサーや知能化ロボットシステムを開発、販売するKyoto Robotics(キョートロボティクス、滋賀県草津市、徐剛社長)は、3次元ビジョンセンサー「TVS Lite(ライト)」を目玉製品として展示した。
デモシステムでは、同製品を装着した協働ロボットが、ばら積みになった部品を正確につかみ、棒に挿しこんでいく。「TVSライトはロボットに直接装着できる。小型だが光量は十分に確保しており、認識精度の高さも強み」と中野圭広報・ブランディング責任者は話す。
今夏には認識力と処理速度が向上した新型モデルを発売する予定だ。
AMR事業に本腰/シナノケンシ
従来は要素部品を製造していたメーカーが、要素技術を生かしてロボットを提案する事例もある。
小型モーターなどを製造、販売するシナノケンシ(長野県上田市、金子元昭社長)は、モーター技術を生かしたロボットハンドなども製造するが、自律移動型搬送ロボット(AMR)事業にも本格的に乗り出す。展示ブースでは今年9月に発売予定のAMR「Aspina(アスピナ)AMR」を初披露し、PRに力を注いだ。
中小製造業などをターゲットにしたAMRで、小回りが利き、狭い通路でもスムーズに移動できる。パソコンに操作用ソフトウエアをインストールするだけで簡単に使えるのも特徴で、1台からのスモールスタートにも向く。現時点では具体的な価格設定を明らかにしていないが、「費用対効果も追求しており、1年以内で投資回収ができる価格帯を想定している」(金子行宏常務開発技術本部長)という。
国際ロボット展の会期中の3月10日と11日には、東京都港区の東京オフィスでアスピナAMRを実際に操作できる体験イベントも開催した。
画像処理も制御もPC1台で/CKD
自動化では、さまざまな機器を制御するソフトウエアも重要だ。
CKDは新開発の制御ソフトウエア「ExiaStudio(エクシアスタジオ)」を参考出展した。電動アクチュエーターや空圧バルブ、流量センサーなどの各種機器をパソコン(PC)で制御できる。営業本部販売促進部の島竜一郎部長は「通常は制御機器としてプログラマブル・ロジック・コントローラー(PLC)が必要だが、最近は半導体不足の影響もあってPLCの納期が長期化している。そのため、PLCの納期を気にしなくても、PCだけでこれらの機器が制御できるのが強み」と話す。
展示ブースでは2020年5月に発売した画像処理用ソフト「Facilea(ファシリア)」と合わせて展示し、PC1台で画像処理や機器の制御ができる点をPRする。メーカー希望小売価格は、両方とも税別で9万8000円。
(ロボットダイジェスト編集部 曽根勇也、松川裕希、桑崎厚史、斉藤拓哉)
[国際ロボット展 特別リポートvol.1]iREXが過去最大規模で開幕
[国際ロボット展 特別リポートvol.2]新型協働ロボをフルラインアップ/ファナック
[国際ロボット展 特別リポートvol.3]充実する協働型のアプリケーション/UR、ヤマハ発動機、日栄機工
[国際ロボット展 特別リポートvol.4]相次ぐオプションやサービスの拡充/リョーサン、Dobot、住友商事マシネックス
[国際ロボット展 特別リポートvol.5]新製品・新ブランド続々/不二越、芝浦機械、伊藤忠マシンテクノス、オカムラ
[国際ロボット展 特別リポートvol.6]工作機械の自動化も進化/シチズンマシナリー、KUKAジャパン、シュンク・ジャパン
[国際ロボット展 特別リポートvol.7]遠隔操作、いよいよ普及か!?/リモートロボティクス、モーションリブ、カットランドジャパン、人機一体
[国際ロボット展 特別リポートvol.8]物流業務向けに注力/川崎重工業
[国際ロボット展 特別リポートvol.9]独自技術生かし“未来の工場”を提案/セイコーエプソン
[国際ロボット展 特別リポートvol.10]演奏者はロボット!/明和電機・THK、セイコーエプソン、バイバイワールド
[国際ロボット展 特別リポートvol.11]THKが見据える、自動化普及の「次の段階」
[国際ロボット展 特別リポートvol.12]先進技術で全体最適を提案/三菱電機
[国際ロボット展 特別リポートvol.13]脚光浴びる物流向け提案/村田機械、フィブイントラロジスティクス、西部電機
[国際ロボット展 特別リポートvol.14]「ロボットの概念を変える」テーマにデモ/オムロン
[国際ロボット展 特別リポートvol.15]高コスパの中国製協働ロボで国内深耕/進和・JAKAロボティクス
[国際ロボット展 特別リポートvol.16]アームの先にはこれを装着/トライエンジニアリング、シュマルツ、北川鉄工所、クリエイティブテクノロジー、アサ電子工業
[国際ロボット展 特別リポートvol.17]オプションで機能を拡張/豆蔵、KEBA Japan 、ATI インダストリアルオートメーション
[国際ロボット展 特別リポートvol.18]要素技術でロボットが変わる/ニコン、日本電産シンポ、Kyoto Robotics、シナノケンシ、CKD
[国際ロボット展 特別リポートvol.19]高度な作業を簡単自動化/クラボウ、ダイヘン、Mujin、京セラ
国際ロボット展(iREX2022)直前特集 vol.1~vol.6はこちらから
(vol.1~vol.6の記事一覧ページが開きます)
国際ロボット展(iREX2022)直前特集 vol.7~vol.10はこちらから
(vol.7~vol.10の記事一覧ページが開きます)