[特別リポートJIMTOF2022 vol.1]熱視線の先はロボット! 日本最大の工作機械展開催
加工中でもワークを供給/東洋精機工業
自動車業界向けの専用機を得意とする東洋精機工業(長野県茅野市、小川健社長)は、自社開発の移動台車式協働ロボットシステムを展示した。
安全柵が不要な協働ロボットは人と同じ空間で作業ができるが、動作スピードが遅いのが課題だった。そこで同社は、2面式の反転テーブルを備えた立形マシニングセンタ「TVMC340」との組み合わせを提案。加工中であっても機外側のテーブルにワークを供給できるため、協働ロボットの動作スピードが問題になりにくい。
また、移動台車を機械に設置する際の位置決め用のユニットも独自開発した。±100分の1mmの位置決め精度を実現できるという。コネクターの接続も2カ所だけで済み、セッティングも簡単だ。
つかんだ際に自動で計測/松本機械工業
チャックメーカーの松本機械工業(金沢市、松本要社長)は、自社開発のパッケージシステム「Smart Terrace(スマートテラス)」を出展した。チャックとは、複数の爪でワークを固定する工作機械用の補助器具だ。
スマートテラスは、爪交換の自動化に対応したチャック「ROBO-QJC」と垂直多関節ロボット、爪やワークを搭載する多段マルチストッカー、専用のロボットハンドなどで構成される。今回展では「スケール」と呼ばれる位置検出用のセンサーを内蔵したロボットハンド「ワーク自動計測ハンド」を新たに搭載。マグネスケール(東京都江東区、藤森徹社長)製のスケールを採用しており、ロボットがワークをつかんだ際に自動で寸法を計測して合否判定ができるのが特徴だ。
松本機械工業の桑本正信営業本部長兼生産本部長は「従来は計測機器が別で必要だったが、スケールを組み込んだロボットハンドがあれば寸法計測の工程をスマートテラス1台に集約できる」と話す。
――vol.2に続く
(vol.2以降は順次掲載予定)
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