特殊なロボット用カメラやレーザーヘッドにくぎ付け/OPIE’19
斜めから撮影してもピンぼけしない
OPIE’19を構成する6つの専門展の中で、産業用ロボット関連の展示が最も多かったのが産業用カメラ&アドバンスドイメージングEXPOだ。「ロボット向け」と銘打つ製品は多くはないが、ロボットシステムに活用できる産業用カメラを数社が展示した。
産業用カメラメーカーの竹中システム機器(京都市山科区、竹中慎一社長)は、ピントを広範囲に合わせられるカメラ「チルトマウント方式フルフレームシャッタカメラ」シリーズを展示した。
レンズをあえて斜めに取り付けることで、近くにも遠くにもピントが合うようになる「シャインプルーフの原理」を応用した製品。
ロボットで何かをピッキング(つかみ上げる動作)する場合、カメラ用の骨組みを設け、つかむ対象物の真上にカメラを取り付けることが多い。しかし同製品は斜めから撮っても対象物全体にピントを合わせられるため、ロボットの基礎などにカメラを取り付けられる。
担当者は「カメラ固定用の骨組みが要らず、コンパクトな装置ができる」とアピールする。
小型のカメラヘッドで、ロボットの手の中にも組み込める
2次元に特化し高速切断
レーザーEXPOに出展した住友重機械工業は、産業用ロボットで金属板を切断するためのレーザーヘッド「高速2Dレーザ切断加工ヘッドZ’cut」を展示した。ヘッドに駆動機構があり、ロボットで加工位置まで持っていくと、ヘッドのノズル部分だけが高速で動いて金属板を切断する。通常のロボットによるレーザー切断と違い、ロボットの軌跡精度に左右されずに加工ができる。加工範囲は50×50mm。ヘッドは2次元的な動きに特化し、その分高速化を図った。
ノズルを早く動かすと振動が発生し、加工精度が低下する恐れがあるが、防振機構を搭載することで動作精度を確保する。技術担当者は「今年度中に加工精度100μmを目指す」と意気込む。
(編集デスク 曽根勇也、編集部 西塚将喜)