台湾テックマンの協働ロボを日本市場に/SSI
内部構造を熟知
SSIは、さまざまな機器に組み込まれる組み込みシステムのハードウエアやファームウエア(電子機器に組み込まれたハードを制御するためのソフトウエア)の受託開発を手掛ける。産業用通信規格「EtherCAT(イーサキャット)」を使った通信ネットワークの構築技術や、モーションコントロール(動きを制御すること)関連の技術に強みを持つ。
18年7月には台湾の協働ロボットメーカー、テックマンロボットと正規代理店契約を結び、19年から本格的に日本市場での販売を始めた。
テックマンロボットが開発したTMシリーズは、アームの手首部分にビジョンセンサーを標準搭載しているのが最大の特徴だ。単にカメラを機械的に取り付けただけなく、画像処理の結果に基づき動作プログラムを補正するなど、「ビジョンセンサーとロボットのソフトがうまく連携できている。TMシリーズはソフト面が優れている」と小笠原社長は評価する。
「過去に画像処理システムを構築した経験のあるシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)には非常に使いやすいだろう」とも話す。
ロボットに動作を覚えさせるティーチングやプログラミングも簡単で、「ロボットの知識があまりない人でも、展示会などで実演を見ると『自分も使えそうだ』との感覚を持てる。TMシリーズのユーザーインターフェース(操作画面)はそれだけ洗練されている」と小笠原社長は説明する。
SSIは正規代理店として製品を販売するだけでなく、本社内に設けたショールームでのデモやテスト、トレーニングに加え、アフターサービスや保守・メンテナンスまで総合的に顧客をサポートする。
TMシリーズの正規代理店は、2020年9月時点で日本に2社しかない。
SSIの強みは、TMシリーズの通信ネットワークやソフトなど内部構造まで熟知していること。小笠原社長は「TMシリーズに採用された通信ネットワーク技術は、過去にわが社が手掛けたものと似ており、技術的に取り込みやすかった」と強調する。これまでのビジネスで培った技術力を生かしたきめ細やかな顧客サポートで差別化を図る考えだ。