名古屋の専門展で、協働ロボや物流自動化の提案に熱視線
多彩な活用事例を提案
「第6回名古屋ロボデックス」「第6回名古屋スマート工場EXPO」「第3回名古屋スマート物流EXPO」など計11の製造業関連の専門展が10月25日~27日の3日間、名古屋市港区のポートメッセなごやの第1展示館と第3展示館で開催された。会期3日間で2万6066人が来場した。
会場では産業用ロボットの展示が目立ち、特に協働ロボットを利用した各種自動化ソリューションが大きな注目を集めた。
デンマークのユニバーサルロボットの日本支社(東京都港区、山根剛代表)は6種類のアプリケーション(使い方)を展示し、協働ロボットの多彩な活用事例を提案した。
目玉の一つは、工作機械などの生産設備に加工物(ワーク)を供給・排出する「マシンテンディング」のアプリケーション。協働ロボットに内蔵された力覚センサーを生かし、ワーク取り付けの自動化や高精度な位置補正を実現した。
「URの協働ロボットは取り扱いが簡単で、UR公認の周辺機器『UR+』のラインアップも豊富なため、エンドユーザーが自社内で自動化システムを構築しやすいのが強み」とマーケティング担当者は語る。
台湾の協働ロボットメーカーのテックマンロボットは標準搭載のビジョンセンサーと人工知能(AI)技術を組み合わせ、電子部品などの外観検査の自動化ソリューションを提案した。
代理店を務めるプレミアエンジニアリング(千葉県船橋市)の松本大亮社長は「ロボットアームを動かせば複数の対象物の外観検査にも対応できる。ビジョンセンサーとAI技術によって、協働ロボットで自動化できる領域がさらに広がった」と強調する。
輸入商社の進和(東京都板橋区、倪昌浩社長)は中国のJAKAロボティクスの協働ロボットを使い、幅広いアプリケーションをPRした。
中でも注目を集めたのは、現実空間の情報を仮想空間上に再現する「デジタルツイン」と協働ロボットを組み合わせた提案だった。制御ソフトウエアメーカーのヴィッツが開発したデジタルツイン用ソフト「SF Twin Cobot(ツインコボット)」の最新バージョンを使用し、協働ロボットの動作プログラムの作成からシミュレーションまでを仮想空間上で実行するデモを実施。
担当者は「最新バージョンはボタン1つで生産ラインの3Dモデルデータをソフトに取り込めるため、これまで以上に再現性の高いデジタルツインがより簡単にできるようになった」と述べる。