包装機械の横で“新たなピッキング”/JAPAN PACK2022
半自動×人型協働ロボ
計量機器メーカーの大和製衡(兵庫県明石市、川西勝三社長)は、ロボットベンチャー企業のアールティ(東京都千代田区、中川友紀子社長)と共同開発した自動計量供給システム出展した。
展示では大和製衡の半自動計量機「TSD-N3」とアールティの人型協働ロボット「Foodly(フードリー)」を組み合わせた。
TSD-N3は、14個の載せ台に被計量物を載せるだけで、瞬時に目標の重量値に最も近い組み合わせを選択し、コンベヤーで排出する計量機。載せ台に被計量物を載せる作業を2台のフードリーが担う。会場では、パスタに見立てた紐で実演した。
大和製衡の岡部修一執行役員は「TSD-N3は人が対象物を供給する計量機として、従来からあった。その仕組みのまま、作業者を代替して自動化するには人型協働ロボットが必要だった。簡単に扱えるフードリーの強みも生かしたシステムを構築できた」と手ごたえを話す。
ラストワン「ハンド」
アールティとしては、フードリーで麺類を扱うのが初めて。しかし、開発当初からロボットハンドの先端を簡単に交換できる仕様だったため、難なく対応できたという。展示では、フォーク状の物を使った。
食品工場では、専門性の高い工程は専用機が実作業を担う。ただ、それに材料や梱包資材を供給するのは、まだまだ人の役割。また、生産ラインで扱う品目が2、3時間で変わることが多い。その環境下でも、フードリーのハンドの先端を変えるだけでさまざまな食材に対応できる点をアピールした。
「物流業界では、配送拠点から配送先まで物を届ける『ラスト・ワン・マイル』が自動化のボトルネック。それにかけて、わが社では専用機に材料を供給する『ラスト・ワン・ハンド』が食品業界の自動化の課題と考えている。それ解決するために、ロボットハンドの汎用性と取り回しのしやすさは必須だった」(広報担当者)。