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2023.06.19

連載

[SIerを訪ねてvol.35]ワークストッカーの設計で、工作機械向けのビジネスを強化/ミルデザイン

ロボットシステムの構築を担うシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)を紹介する連載企画「SIerを訪ねて」も35回目を迎えた。今回は、ファクトリーオートメーション(FA、工場の自動化)関連の専用装置やロボットシステムの設計、製作を手掛けるミルデザイン(長野県茅野市、竹井豪社長)を取材した。従業員数が7人と小規模ながら、設計から立ち上げまで一貫して対応できるのが特徴だ。最近は工作機械用のワークストッカーの設計など、工作機械業界向けのビジネスを強化している。

設計から立ち上げまで一貫対応

 ミルデザインが本社を構える長野県茅野市は精密機械産業が盛んで、「東洋のスイス」とも称される諏訪地域の中部に位置する。
 市内には「諏訪信仰発祥の地」と言われる諏訪大社上社前宮があり、6年に一度の大祭「御柱祭」が開催されるシーズンは大勢の観光客でにぎわう。

 茅野市の中心部から南東に車で15分ほど移動した先に、同社の本社がある。2013年12月の設立で、現在は7人の従業員が在籍する。小規模ながら、FA関連の専用装置の設計から立ち上げまで一貫して対応できるのが特徴だ。

 自動車部品の自動組み付け装置や液晶関連の搬送ライン、半導体関連のレーザー刻印装置、工作機械用のワーク(被加工物)ストッカーなど、会社設立からの10年間でさまざまな業種の専用装置や自動機、ロボットシステムを構築してきた。竹井社長は「機械設計ができる人材や、電気設計やロボットのティーチング(動作を覚えさせること)ができる人材、電気配線や組み立てができる人材など、幅広い分野の技術者が社内にいる。一人一人の従業員の技術力の高さと多彩さがわが社の特色の一つ」と強調する。

  • 自社で手掛けたパレット回収システム(提供)

  • 「リューター」と呼ばれる専用工具を使った基板の加工システム(提供)

ハンドの設計を合理化

オンロボットのロボットハンドも取り扱う

 21年3月にはデンマークのOnRobot(オンロボット)とパートナー契約を結び、協働ロボットに特化したロボットハンドの輸入販売も開始した。ミルデザインの本社にはファナックの協働ロボット「CRXシリーズ」を設置しており、オンロボット製品の動作デモや検証などが可能だ。

 「わが社は商社ではなく、本業はあくまでSIer。協働ロボットシステムを構築する際のロボットハンドの設計業務を合理化したいと考え、オンロボットとのパートナー契約の締結に踏み切った」と竹井社長は振り返る。

 また、ミルデザインにはウェブシステムの開発に長けたシステムエンジニアも在籍しており、スマートフォンからでも使える社内在庫管理アプリや作業日報管理アプリを社内で独自開発して業務効率化を図っている。この他、企業向けのビジネスだけではなくパソコン修理やウェブページ制作といった消費者向けのビジネスも展開している。

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