生産現場のロボット化と自動化を支援するウェブマガジン

2024.07.18

連載

[活躍するロボジョvol.30] 館長のやるべきことをやる/ダイドー 三橋愛莉花さん

メカトロニクス専門商社のダイドー(名古屋市中村区、山田貞夫社長)の三橋愛莉花さんは、東京都江戸川区にある「東京ロボット館」で2代目館長を務める。ロボットの見学や実機テストができる「ダイドーロボット館」は国内3カ所にあるが、三橋さんは同社で初の女性館長だ。「多くの知識が必要な仕事ですが、新しいことを学ぶのは楽しく、やりがいも感じます」と三橋さんは語る。

来場者とじっくり話す

 ダイドーの東京ロボット館で2代目館長を務める三橋さん。約40台のロボットに加えて周辺機器も並ぶ同施設で、顧客から生産現場の自動化に関する相談を受ける。現場の課題についてヒアリングした後に、館内のデモシステムを使ってロボットのアプリケーション(使い方)を説明する。
 「常に勉強し続ける必要のある仕事ですが、やればやるだけ自身のステップアップにつながるのにやりがいを感じられ、天職だと思っています」と笑顔で話す。

東京ロボット館の2代目館長を務める三橋愛莉花さん

 三橋さんは東京ロボット館を「いつでも行ける展示会」と表現する。1階にはピッキングやパレタイズ(積み付け)、搬送などのデモシステムを設置しており、2階にはロボットハンドやカメラなど周辺機器もそろえる。
 「来場者からは、デモ機を見ながらじっくり話せると好評です。デモシステムの他には操作体験ができる協働ロボットもあり、ロボットの活用イメージをつかんでもらえるよう案内します」と三橋さん。

さまざまな相談に応える

来場者にロボットシステムを紹介するのが主な業務

 三橋さんがダイドーに入社したのは2013年。大学では社会問題について研究していたが、就職活動では人と深く関われる仕事を志望し、ダイドーを選んだ。
 入社後6年ほどは、電話やメールを通じて顧客へアプローチするインサイドセールスを担当した。顧客の指定する製品を販売するだけでなく、時には顧客から要望を聞き、それに合った仕様の製品を選定するケースもあった。そこで培った機械や要素部品に関する知識は、現在の業務にも役立っているという。

三橋さんはデモ機の簡単なティーチングもできるという

 ロボット事業部へは、自身で異動願いを出して19年に移った。三橋さんは「ダイドーの強みであるロボット事業により深く関われる仕事がしたかった」と振り返る。インサイドセールスを担当していた間は、ロボットの基礎的なことは学んだもののそれほど関わる機会がなかった。異動後は東京ロボット館に配属となり、来場者の案内がメインの業務となった。

 「お客さまの課題は似ていても現場ごとに状況は異なるため、回答も毎度変わります。さまざまな相談に応えるうちに、ロボットに関する知識が深まりました。とはいえまだ勉強不足な部分もあるので、エンジニアと連携してお客さまの困り事に提案することも多いです」と語る。

TOP