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2020.03.06

イベント

進化する産ロボ用の画像処理や制御システム

2月12日~14日の3日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで「第4回スマート工場EXPO」が開かれ、1万5000人超が来場した。製造業向けのモノのインターネット(IoT)システムや人工知能(AI)などの専門展だ。画像処理ソフトウエアやロボットの制御システムなど、産業用ロボットに関連する製品も展示された。

「ロボの目」でシステム構成を簡単に

ビジョンエディションを活用したデモシステム

 2月12日~14日の3日間、東京ビッグサイトの西ホールでスマート工場EXPOが開催され、産業用ロボット関連の製品も展示された。

 キヤノンの子会社、キヤノンマーケティングジャパンは高性能なカメラにキヤノンの画像処理ソフトウエア「Vision Edition(ビジョンエディション)」を組み合わせ、ロボットのティーチング(教示)作業を簡単にする提案をした。

 ビジョンエディションは、全体を見渡してバーコードや二次元バーコードの位置を認識し、自動でズームしたり、ピントを調整してデータを読み込める。そのため、バーコードなどがある程度離れた位置にあっても問題なくデータを取得できる。

キヤノンマーケティングジャパンの画像処理システムの展示

 ブースでは、家庭用プリンターのインクカートリッジを色別に仕分けるシステムを展示した。ロボットの近くに設置したカメラで、パッケージに印刷されたバーコードを読み取り、色を判別して仕分ける。
 カートリッジのハンドリングを担ったデンソーウェーブ(愛知県阿久比町、中川弘靖社長)の小型協働ロボット「COBOTTA(コボッタ)」にも、専用仕様の「ビジョンエディション-C」を搭載。ベルトコンベヤーで運ばれてきたカートリッジの位置をカメラで認識し、動作を微調整して正確につかんでみせた。

 担当者は「従来は複数必要だったバーコードリーダーなどをカメラに集約できる。またロボットに細かい動作まで教え込まなくてもカメラで自動認識して微調整でき、まさに目を手に入れたロボット」とアピールした。

オープンソースで開発費を抑える

富士ソフトが展示した搬送システム

 富士ソフトは、ロボットの制御システム「ロボット・オペレーティング・システム(ROS)」をベースにした制御用プラットフォーム「ロボットシステムプラットフォーム(PF)」を展示した。
 ROSはオープンソースのシステムで、誰でも自由に利用や修正、拡張、再配布ができる。PFは新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などと共同開発しているもので、より簡単な産業用ロボットの導入とシステム構築を目指す。

 今回展では、ROSに対応する日本電産製の垂直多関節ロボットやベルトコンベヤーを組み合わせて搬送システムを構築。PFを使ってその制御システムを構築した。サイコロとペットボトルのふたを3次元カメラで識別し、仕分ける作業を実演した。

ロボットシステムプラットフォームの画面

 タブレット端末を使い、事前に用意したコマンドを並べるだけで、制御システムを構築できる。工程の変更もコマンドの並び替えだけで対応できる。
 担当者は「オープンソースのシステムを基にすることで、構築したソフトの再利用や流用がしやすくなり、開発の費用や手間を低減にできる。2020年度から本格的に販売を始めたい」と意気込む。

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