[特集FOOMA JAPAN2021 vol.9]初日は4361人が来場! ロボットシステムなど一堂に
2つの自動化提案/安川電機
安川電機は「食の自動化のそばに。」をテーマに2種類の提案をした。
1つは食品の製造ラインで使えるロボットの提案。協働ロボットの「MOTOMAN(モートマン)-HC10DTF」は塗装をせず、ボディー素材に直接表面処理を施した。塗装をすると、はがれ落ちたときに異物混入の事故が発生する可能性があるからだ。また、洗浄しやすくするため、関節部分などの防水性も高めた。
協働ロボットは、事前にリスクアセスメント(リスクの分析と対処)さえすれば安全柵がなくても人のすぐ隣で使える。急に休んだ人の代わりに、台車ごと移設して即使用することも可能だ。
もう1つの提案は、人工知能(AI)の深層学習機能を活用した画像判定ソリューション「Y’s-Eye(ワイズアイ)」。食品は個体のばらつきが大きいものの、コゲや汚れ、異物など、慣れた人が見れば簡単に判定できるNG品が多い。そのため、AIを特定の食品向けに鍛えれば、判定精度はどんどん高くなる。食品農業営業部の鈴木章弘課長は「実は、電子部品などよりも、食品の方がAIの活用には向いている」と強調する。
スカラで高速性、垂直多関節で防水性PR/ストーブリ
スイスに本社を置くストーブリはスカラロボット「TS2シリーズ」と、高湿度の環境に対応できる垂直多関節ロボット「TX2-HEシリーズ」の2種類を展示し、食品業界向けのロボット提案に力を注いだ。
TS2シリーズでは、強みである俊敏性を生かし、高速のピック&プレース(物をつかみ上げて所定の位置に置く動作)を実演。ロボットシステムの横にはタブレット端末を置き、ピック&プレース時の平均サイクルタイムも表示し、来場者に高速性をPRした。
TX2-HEシリーズでは防水性の高さをアピールするため、トリガー式の高圧洗浄ガンを用意した。高圧水をロボットにかけても、問題なく動作する様子を披露した。
同社は、日本市場では食品業界向けの納入実績が多く、担当者は「販売台数の約5割は食品業界向け」と説明する。