[エディターズノートvol.6]景気は底を打った!
前年同期比ではマイナスも、前四半期比でプラスに
景気は底を打った。
日本ロボット工業会の四半期統計を見ると、2022年1~3月期から受注額は右肩下がりが続いていたが、24年4~6月期は上昇に転じた。まだまだ低い水準で、前年同期比ではいまだマイナスだが、24年1~3月期と比べると13.7%も増加した。(関連記事:産ロボ受注に復調の兆し、受注額は1~3月期比で13.7%増/日本ロボット工業会)
物流システム機器など、産業用ロボット以外の自動化関連産業でも受注が伸びた企業が少なくない。(関連記事:受注額は前年同期比41.2%増、第1四半期は好調な滑り出し/ダイフク)
工作機械の受注額も回復に転じる
受注額の統計で、産業用ロボットと似たような動きをするのが、同じく工場向けの設備財である工作機械だ。ロボットは工場以外の例えば物流センターなどでも使われるが、トータルではまだまだ工場向けが大半で、製造業の設備投資に左右される。
右は、日本工作機械工業会の公表資料を基に、受注額の推移を小社がグラフにまとめたもの。受注額のピークを「100」として、景気後退期とその後の回復期、次の受注額のピークまでを一つのサイクルとしてまとめている。簡単にいえば「景気の谷」をグラフで表現したものだ。
グラフを見ると、多くの場合は約2年間ほど右肩下がりが続くが、2年を超えた辺りから回復期に向かう。赤線で示されたウクライナ侵攻に端を発する今回の景気低迷も、24カ月を超えた頃から少しづつ上向いてきた。まだまだ低い水準だが、今後しばらくは緩やかな回復トレンドが続きそうだ。
産業用ロボットではこうしたグラフは作成していないが、工作機械とロボットの受注額はある程度連動する。「景気は気から」という言葉もある。「ロボット市場もこれから本格的な回復期に向かう」、そう断言したい。
(ロボットダイジェスト編集デスク 曽根勇也)
※「エディターズノート」はロボットダイジェストの編集後記として毎月月末に掲載しています。
〇エディターズノート:記事一覧