[注目製品PickUp! vol.70]新発売の3Dカメラと組み合わせ多品種少量の現場へ/Eureka Robotics「エウレカコントローラー」
高精度・高速制御技術に強み
同社は、エウレカコントローラーの強みは「HA-HA技術」にあると表現する。「High Accuracy(高精度)」と「High Agility(高速)」に由来する同社の造語で、ロボットシステムを高精度かつ高速に制御できるとの意味を持つ。その技術を生かし、小型部品を50μmほどしかクリアランス(隙間)のない小さなケースに納めるロボットシステムなどを手掛けてきた。
日本法人のオフィスには、エウレカコントローラーを活用した複数のデモシステムを常設しており、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)やユーザーから問い合わせがあった場合にショールームのように活用して製品を紹介する。
その1つが、小型部品のばら積みピッキングの自動化システムだ。幅1mmほどの小型部品2種類を異なるケースに振り分ける。部品はガラス製のため慎重な取り扱いが必要だが、エウレカコントローラーで力制御も可能なため、部品をつかむ際に傷つけることなく運べる。
未登録のワークも認識
昨年11月には、ばら積みピッキングや小型部品のピック&プレースの自動化などに向くビジョンセンサーのエウレカ3Dカメラを発売した。エウレカコントローラーと組み合わせることで、ばら積みピッキングなどを簡単に自動化できる。
「エウレカコントローラーに搭載の人工知能(AI)で画像処理やワークの3Dモデル作成などをするため、エウレカ3Dカメラ自体は至ってシンプル。二つのレンズを使うステレオ方式のため、ワークに光を照射するプロジェクション方式と比べ作業者の目に優しく、ワークの表面状態などに左右されないなど認識性能にも優れる」と池川営業部長。透明なワークや背景色と同じ色をしたワークも含め幅広いワークを認識できる他、ワークがトレーやボックス内にある場合でも認識できるため活用シーンは多い。
今年6月に、未登録のワークを認識できる新機能も開発した。通常のビジョンセンサーは事前に認識したいワークを登録する必要があるが、エウレカコントローラーとエウレカ3Dカメラを使えば、未登録のワークを認識し、ワークの適切な把持位置まで自動で判断できる。頻繁にワークの切り替えが起こる生産現場でも、効率的な自動化システムを構築できるというわけだ。
池川営業部長は「例えば日用品から機械加工部品、さらにはその日買ってきた野菜まで、それらをランダムな場所に置いても問題なく認識しアウトプットできる。シンガポールやベトナムにある研究開発拠点と連携し、日々アップデートを重ねている」と語る。