安さと使いやすさで自動化を後押し/安藤
6モデルをラインアップ
FAIRINOの紹介動画(提供)
自動車関連向けに切削工具や工作機械などを販売する機械工具商社の安藤が今年1月から日本で新たに販売を始めたのが、中国製の協働ロボット「FAIRINO」だ。主に部品のピッキングやパレタイジング(積み付け)、ねじ締め、溶接などの単純作業の自動化に向く。可搬質量は3kg、5kg、10kg、16kg、20㎏、30㎏の6モデルをラインアップする。
同製品の最大の特徴は価格の安さだ。最も安い可搬質量3㎏のモデルで、60万円強から購入できるという。
「可搬質量3㎏、最大リーチ長600mmクラスの他社製の協働ロボットと比べると価格は約5分の1。これまでコスト面で自動化に踏み切れなかった中小企業も、この価格帯なら導入しやすいはずだ」と安藤義和専務は自信を見せる。
また、同製品には、アームを直接手で動かして動作プログラムを作成できる「ダイレクトティーチング機能」も搭載。直感的な操作でプログラムを作成できるため、ロボットの知識が少ない人でも簡単に操作できる。
自社展をきっかけに
同社が 同製品の国内販売を決断したきっかけは、昨年6月に開催した自社展「中国製品の実力を知ろう展」だった。同製品を紹介したところ、想定を大きく上回る反響があり、来場者からは「こういう安くて使いやすいロボットを探していた」との声が相次いだ。
そこで、同社は同年10月に開発元のフェア・イノベーション・ロボット・システムと代理店契約を締結。3カ月後には本格的な販売を開始した。
「単に価格競争力を追求するだけでなく、万が一協働ロボットに不具合が生じた場合には迅速に代替機を提供するなど、顧客が安心して利用できる体制も整えた」と安藤専務は話す。
今後の課題は同製品の認知度向上だ。
安藤は定期的に顧客を本社に招き、同製品のデモンストレーションを実施する。また、東海地方の顧客を中心に、実機を持ち込んでの訪問営業も展開する。
その他、自社展を主催するのに加え、「ロボットテクノロジージャパン(RTJ)」や「ものづくりワールド」などのさまざまな展示会にも出展し、自動車関連向けの中小企業を中心に同製品の認知度向上を図る。
「展示会を通じてより多くの人に知ってもらい、『この価格なら試してみたい』と感じてもらえるよう訴求したい。多くのお客さまが協働ロボットを知るきっかけになればうれしい」と安藤専務は笑顔で語る。
(ロボットダイジェスト編集部、山中寛貴)