[特集 国際ロボット展vol.3] ロボット事業を4倍規模に/川崎重工業 高木登 執行役員ロボットディビジョン長
「ベースは産業用ロボットで培った技術。それを応用して対象となる事業領域を広げる」と川崎重工業のロボットディビジョン長の高木登執行役員は言う。キーワードは「安全安心リモート社会」「近未来モビリティー」の2つだ。2022国際ロボット展(iREX)では自動化の遅れる物流市場にも焦点を当て実用的なソリューションを提案する。
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「ベースは産業用ロボットで培った技術。それを応用して対象となる事業領域を広げる」と川崎重工業のロボットディビジョン長の高木登執行役員は言う。キーワードは「安全安心リモート社会」「近未来モビリティー」の2つだ。2022国際ロボット展(iREX)では自動化の遅れる物流市場にも焦点を当て実用的なソリューションを提案する。
川崎重工業と藤田医科大学(愛知県豊明市、湯澤由紀夫学長)は2月16日、藤田医科大学病院でのアーム付きサービスロボットの実証実験を実施したと発表した。実施期間は2月4日~15日で、屋内位置情報サービスを活用し、検体搬送や入院患者の見守りができるかを検証。ロボットアームでエレベーターを操作してのフロア間移動や、カメラ機能を活用した患者の状態確認などが問題なくできることを確認した。
川崎重工業とソニーグループが共同設立した企業リモートロボティクス(東京都港区、田中宏和社長)は2月7日、ロボットの遠隔操作の実証試験を2件実施し、どちらも成功したと発表した。
川崎重工業は2月1日、神戸市中央区の神戸クリスタルタワー地下1階に検体採取ブースを開設し、PCR検査サービスを開始する。これは政府が進める「PCR等検査無料化事業」の一環で、兵庫県から認可を受けて実施するもの。産業用ロボットを使用した同社製の自動PCR検査システムを活用し、検体採取から検査、結果通知まで一貫した検査サービスを提供する。
川崎重工業とソニーグループは12月1日、共同設立の新会社リモートロボティクス(東京都港区、田中宏和社長)が同日に営業を開始したと発表した。同社はロボット用の遠隔操作プラットフォーム事業を展開する。2022年中の本格的なサービス提供開始を目指す。2021年度には川崎重工グループのアーステクニカ(東京都千代田区、西昌彦社長)での研削、研磨作業や、川崎重工播磨工場(兵庫県播磨町)のリサイクル用瓶の選別実証システムで、ロボット用の遠隔操作プラットフォームを活用した実証実験を開始する予定だ。
「メカトロテックジャパン(MECT)2021」は工作機械がメインの展示会だが、ロボット関連の出展も多い。主催者による特設展示ゾーンでは川崎重工業や安川電機、デンソーウェーブ(愛知県阿久比町、相良隆義社長)などが最先端のロボットシステムを展示。ファナックなどのロボットメーカーや、ロボットの周辺機器を製造するメーカー、ロボット関連の製品を扱う商社も多数出展する。
川崎重工業は6月1日、都内で「グループビジョン2030 進ちょく報告会」を開催した。橋本康彦社長が、今後注力する水素エネルギー事業など各事業に関して展望を発表した。ロボット関連では、「安全安心なリモート社会」を実現するための事業として、産業用ロボットを使って自動で大量のPCR検査をする「PCR検査サービス事業」や、医療用の手術支援ロボット事業を推進。
川崎重工業は6月8日、ロボット導入時の機器接続の検討期間を短縮するためプラットフォーム「K-AddOn(Kアドオン)」を発表した。パートナー企業の周辺機器と同社製ロボットが接続可能かを同社が事前に検証し、適合する機器をKアドオンに登録。ロボットのユーザーやシステムインテグレーター(SIer、エスアイアー)は、登録機器を使うことで自社で検証することなく容易にシステムを立ち上げられる。
川崎重工業とソニーグループは5月21日、共同で新会社を設立すると発表した。設立時期は今夏で、出資比率は50%ずつ。資本金は1億円。新会社では、ロボット用の遠隔操作プラットフォーム事業を展開する。具体的には、専用のロボットコントローラーを使った遠隔操作システムや、作業状況のモニタリングシステム、機器の状態管理システムなどを提供。また、労働力を必要とする企業側と、労働力を提供する作業者を結び付けるため、作業者の紹介や習熟度評価なども実施予定という。
川崎重工業は5月20日、関西国際空港の出発ターミナル入り口に自動PCR検査ロボットシステムを設置したと発表した。