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2019.07.09

連載

[注目製品PickUp!vol.16]「安全第一」を地で行く協働ロボット【後編】/ダイアディックシステムズ

100万円が限界

「DSR02-400の本体価格は100万円を切る」と強調する北川佳巳営業推進部長

 自社製の小型のサーボモーターを要素部品に使ったことで、DSR02-400の本体価格を大幅に抑えた。北川佳巳営業推進部長は「本体価格は100万円を切る」と強調する。

 なぜ100万円以下にまで本体価格を抑えたのか?
 製造現場では、小物部品のピック&プレースは人が担うケースが多い。ピック&プレースの作業そのものは付加価値が低く、人がやっていた作業を協働ロボットに置き換えるには、それに見合った投資額でなければ採算が合わない。
 そのため、鶴海社長は「協働ロボットが普及するには、導入コストが低いことが非常に重要。100万円という価格は、付加価値の低い作業を協働ロボットに置き換える際の限界」と考え、それに合わせてDSR02-400の本体価格も設定した。

課題はアプリケーションの拡充

「中部どてらい市2019」でダイアディックシステムズが披露した、3台のDSR02-400と無人搬送車で構成された仮想のライン

 プログラムが簡単に生成できることと低コストで導入できることなどの強みが顧客に評価され、DSR02-400の引き合いは18年10月の発売以来、着実に増えている。自動車産業や電子部品産業からの引き合いが活発で、すでに現場に導入した企業もある。

 とはいえ、発売からまだ1年も経っておらず、まだまだ課題も多い。
 その一つが、DSR02-400のアプリケーション(応用的な使い方)の拡充だ。北川営業推進部長は「顧客にさまざまな使い方をPRしたい」と意気込む。

アプリケーションの拡充に力を入れる(ダイアディックシステムズ提供)

 例えば、自社製の電動シリンダーとの組み合わせだ。DSR02-400に内蔵されたロボットコントローラーは8軸まで制御できるため、自社製の電動シリンダーも1~4軸まで新たに追加できる。同社は今後、電動シリンダーを追加したときの使い方を模索する考えだ。

 また、大手機械商社の山善が事務局となって、19年6月に名古屋市内の展示会場で開催した展示即売会「中部どてらい市2019」では、3台のDSR02-400と日本電産シンポ(京都府長岡京市、西本達也社長)の無人搬送車で構成された仮想のラインを披露した。
 プラスチックの容器を運び、ガムを入れてふたをする一連の作業を自動化した。容器そのものを所定の位置まで運ぶ作業や、ガムを運んで容器に入れる作業を実演し、DSR02-400の使い方を具体的な形でアピールした。

 DSR02-400の使い勝手を向上させるための機能開発にも余念がない。鶴海社長は「ダイレクトティーチング機能を搭載しているが、ダイレクトティーチングでできることは限られる。現在は、より使いやすいティーチング用の機器を開発している」と明かす。

――終わり
(ロボットダイジェスト編集部 桑崎厚史)



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