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2021.12.06

[特別企画 新ロボット展 in 愛知 vol.3]ロボの目と選べるスキルで誰でも簡単に/東京エレクトロンデバイス

来年6月30日~7月2日にかけて愛知県常滑市の展示会場「アイチ・スカイ・エキスポ」で開催される「ROBOT TECHNOLOGY JAPAN(ロボットテクノロジージャパン、RTJ)2022」に、いち早く出展を決めた一社が東京エレクトロンデバイスだ。電子や半導体を扱う技術商社のイメージの強い同社だが、RTJ2022では産業用ロボットとビジョンシステムを組み合わせたパッケージシステムを訴求する。その具体的な内容とは。

優れた「ロボの目」システム

RTJ2022の出展責任者も務める神本光敬PB営業本部長

 東京エレクトロンデバイスは、半導体や電子機器の販売と、それらを組み合わせたソリューション提案が得意な技術商社だ。
 ただ、もともと「inrevium(インレビアム)」の名称でプライベートブランドの自社製品にも取り組んでおり、3年前からは生産や物流現場向けのシステム構築にも取り組む。

 2018年には、画像処理向けソフトウエアメーカーのファースト(神奈川県大和市、阪本奇男社長)を子会社にした。それ以来、ファーストの画像処理の技術をロボットシステムに応用する製品開発を続けている。

 デジタルファクトリー営業部の部長も兼任する神本光敬PB営業本部長は「ファーストの精密な画像処理の技術を『ロボットの目』に生かすと、ロボットで複雑作業も実現できる。事前登録なしで幅広い形状の対象物を柔軟に扱え、色やサイズを見抜いて仕分けや検査をできる。また、3次元の画像処理ができるため、位置や姿勢の補正が得意で、精密な組み付けなどにも向く」と話す。

「TriMath(トリマス)OS」を介して連携する機能のイメージ(提供)

 それらの複数の技術を連携させたのが、生産現場や物流現場向けのロボットシステム「TriMath(トリマス)」だ。

 光学機器と画像処理技術や人工知能(AI)を「トリマスビジョン」としてパッケージにした。それを核に、ロボット、ロボットハンドなどを「トリマスOS」を介してまとめて制御し、連携して動作させる。
 高度なシステム構築が必要だった不定形物や不規則形状物の搬送や仕分け作業を、簡単に実現できる。このシステム全体をトリマスと呼ぶ。

必要なスキルを組み合わせ

TriMath(トリマス)を使い、仕分け作業とピッキング作業をするロボット

 対象物や現場の業務に合わせて、システム内にある「ピッキング」、「認識・計測・検査」、「仕分け」の3つの基本動作の中から必要な機能を選択してシステムを構築する。

 ピッキングの中でも、対象物や使用環境に合わせて、システム構成を変えられる。
 例えばビジョンシステムでは、2つのカメラで立体的に捉えるステレオカメラや、深度センサーと組み合わせて対象物との距離を測れるToFカメラ、レーザー光で測定するレーザー式などから選べる。また、ロボットやロボットハンドも複数のパターンから選択し、システムを構成する。

 一般的にビジョンシステムを持つロボットは、システムインテグレーター(SIer、エスアイアー)が現場ごとに一品一様で構築する。
 神本本部長は「トリマスには光学機器と画像処理やAIのコア技術があり、ロボットと連動も簡単で、必要なスキルを組み合わせて応用できる。各所の稼働条件に適応させやすく、教示作業を大幅に削減して素早い導入と効率的なシステム運用をできる」と胸を張る。

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